ジパングのアニメがきっかけ
マンガが好きな方なら作品名なら知っている方も多いと思う沈黙の艦隊。
十代の頃、あまり青年誌系のマンガは読みませんでしたが、私も作品名だけは知っていました。
初めて読んだのはジパングのアニメを見た後なので、2004年以降になります。
元々かわぐちかいじさんの絵が苦手だったのですが、ジパングのアニメに衝撃を受けてマンガを即買いに行きました。
そして、その後に買ったのが沈黙の艦隊。
私が普段買うジャンルではないので、ジパングのアニメを見なかったら絶対買っていなかったと思います。
沈黙の艦隊のあらすじは上手くまとめられないのですが、政治の話が多い。
1冊のうち半分以上政治の話があったりします。
私は深町や海江田のやりとり、艦隊戦の方が面白いので、政治関連の話は読み返しの際は流し読み気味です。
以後、個人的な感想とネタバレがあります!
沈黙の艦隊とジパングの違い
ざっと読んだ時、沈黙の艦隊の海江田とジパングの草加が似ているなと思ったのですが、一度読んだ上で読み返すと相違点の方が目につきます。
ぶっちゃけると、草加の方が何をしたかったのかよくわかりません。
ただ好きなのはジパングなのですが。
なぜかというと、それは私がSF・ファンタジーが好きだからです。
沈黙の艦隊は私が生まれてからの作品なので、私にとっては現代です。
海江田の行動が身近に感じられます。
一方草加は過去の日本とはいえ、私にとっては遠い過去。
しかも未来を知ったため、その未来を改変するというSF・ファンタジー要素が若干なりとも入っています。
私は今の日本人らしく政治に興味がありません。
それが沈黙の艦隊の政治的な部分を読み飛ばした原因でもあります。
はっきりって結末は気になるけど、過程はどうでもいいという感じです。
草加の方は私にとって歴史になります。
歴史は好き。
政治自体も歴史は面白い。
これが大きな差となって、私の中ではジパングに軍配が上がります。
海江田と草加
ただ物語としては沈黙の艦隊の方がまとまっているかなと思います。
ジパングの後半部分ほど沈黙の艦隊は間延びしていませんし、海江田は何をしたかったかを明確にしています。
海江田は脳死状態、草加は死亡と、舞台からの退場には違いないのですが、直前の行動が大きく違います。
もう少し草加が何をしたかったかをはっきりと口にしていたら、文句なく物語も私はジパングに軍配を上げました。
トータルで言うならやっぱりジパングなのですが。
何がしたかったか明確でない分、草加の方がつかみどころがない印象です。
海江田の方が地に足がついていた感じがします。
深町と角松
深町は序盤から終盤まで変わらない印象です。
角松は1話目あたりは現代の平和な時代にいるせいかそれほど特筆するような性格が見受けられませんが、過去に行ってからはちょっと性格が変わった感じを受けます。
深町と角松も似ていると初めて読んだ時は思いましたが、それぞれ海江田・草加を止めるという点で似ているだけで、こちらも読み返すとやはり相違点の方が目に付きます。
深町の方が大胆かなと思います。
深町・海江田と角松・草加の関係性
あと私がジパングの方が好きな理由としては、よりジパングの方が人物に中心があると思うからです。
私のイメージでは深町・海江田は結構平行線に突き進んでいると思うのです。
若干深町が海江田の方へ針路を変えることがありますが。
角松・草加は数学の話になりますが、ねじれの関係に思えるのです。
出会った瞬間は近くにいて、平行に見せかけつつ草加は針路をずらし、あとは交差しない。
そんな感じです。
針路が複雑な分、思惑が入り乱れ、その分人物に焦点が行っていると思います。
だから序盤は文句なく面白い。
後半はそのねじれが簡素化して再び近づく、という感じでしょうか。(わかりづらい例えですみません)
ジパングの方が人物に焦点が当たっている
角松にしても、草加にしても、ジパングは沈黙の艦隊より人物が多く、その人物に焦点が当たっている時間が長いです。
沈黙の艦隊も人物に焦点が当たってはいるのですが、政治的な面も含めて当たっているのであまり個人に当たっているという印象がありません。
私はストーリーと、人間関係を楽しみたいので、どうしてもジパング贔屓になってしまいます。
みらいのクルーにしても、たつなみのクルーよりキャラが立っている人が多いような気がします。
ただ沈黙の艦隊の戦闘は文句なしに面白いです。
ジパングは戦中の兵器対60年後の兵器ですので、勝って当たり前というか。
私は戦闘もジパングの方が好きなのですが、一方が強力な武器を持っているのが嫌いな方には沈黙の艦隊がおすすめです。